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Par chance

今日もいい1日になりますように

思うことを変えるだけで…

11/15/2019

 
先日フランスで、リヒャルト・シュトラウスのチェロソナタを弾く機会がありました。合わせの時、ある箇所がどうしても、気持ち的に楽ではなかったので、チェリストに話して、何回か弾いてみましたが、どうもしっくりきませんでした。ここでは彼女ではなく、自分が何かを変えるべきだと感じました。
この時は、それ以上は触らないでおき、次に合わせる時には、アプローチを変えることにしました。敢えてその箇所をひとりでさらったりはせず、「思う仕方」を変えることにしたのです。
結果はうまくいきました。「何を変えたの?」ときかれました。その答えは、「思うことの中身を変えただけ」です。うまく合わせようとしたり、これくらいのタイミングでいこうと決めたりする代わりに、自分のトータルコーディネーションが整っているようにしたのです。自分のコーディネーションを整えるのに何を思うのが有効かは、人によって、あるいは時と場合によって違うでしょうが、それを知っておくことは、とても大切です。もちろん、思うことの中身を変えればすべてうまくいくわけではありませんが、そういうケースも多いものです。
問題のパッセージに入る直前に、コーディネーションを整え直すことができると、身体と心が、自然にあるべき方へと導いてくれるとでも言ったらいいのでしょうか、音楽の流れ、自分の内側の流れを然るべく保ったまま、弾き続けることができます。難所というのは、ともすると、意識の持っていき方(思う仕方)が難しくなりがちで、その結果、自分の内側、外側ともに自然な流れが失われてしまうのですね。
「思うこと」。誤解を招きがちな言葉ですが、アレクサンダーで学ぶのは、まさにこのことです。アレクサンダーに関するよくある誤解は、正しい姿勢や身体の動かし方、解剖学的なことを学ぶエクササイズのようなメソッド、というものです。確かに、身体の状態は変わるでしょうが、それは思うことを変えることによって起こっているのです。
このブログで扱っていることは一見、アレクサンダーらしからぬように思われる方もいらっしゃるかもしれません。まだ何回かですが、今まで扱ってきたことはすべて、気づきにまつわることです。何かに気づくことによって思うことが変わり、よってコーディネーションが変わる、つまり在り方が変わるということについて綴っています。アレクサンダーのレッスンでしていることとは、気づきを促す役目を果たす教師の手によって、新たに生じたコーディネーションのより整った状態を、徐々に自分でもつくり出せるよう学ぶことなのです。



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    Toko

    アレクサンダー教師でピアニスト、しまねとしこのブログです。アレクサンダー的視点から、心に残ったことを綴っています。
    ブログタイトル « Par chance »は、「幸いなことに」くらいの意味のフランス語で、何かに気づく嬉しさや、誰にとっても今日もいい1日になりますように、という願いを込めてつけました。

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